今から,3年前,2015年に,アイザック・ニュートンの故郷やゆかりの地を巡る旅行をしました.
アイザック・ニュートンは17世紀のイングランドの自然科学者です.
中学,高校の数学や物理で習う,運動方程式,万有引力の法則,微分積分などの生みの親です.自然科学の歴史を語る上で,必ず名前が出てくる最重要人物の一人と言えます.
今回は,この天才ニュートンの故郷を巡る旅行について書いていきます.まずは,イギリス グランムのキングススクール訪問記です.
旅行のきっかけ
なぜ,私がこのようなニュートンの故郷を巡る旅行をしようと思ったのか?それは,藤原正彦の「天才の栄光と挫折」という本を読んだからです.
藤原正彦は,数学者でもある方です.また,父親は直木賞作家の新田次郎です.
この「天才の栄光と挫折」では,数学者の学問的成果ではなく,彼らの人間性にスポットを当てています.学問的な面ではなく,人間にフォーカスしているところがこの本の面白いところです.
各章で1人の数学者を取り上げていて,第1章が「ニュートン」です.
この章を読んで,ニュートンの故郷を巡る旅をしようと思いました.藤原正彦が実際に取材で訪れたニュートン所縁の地を自分も行ってみたいと思ったのです.
イギリス グランサムへ行く
ロンドンからグランサムへ
私はまず,ニュートンの通った学校があるグランサムに行ってみることにしました.
グランサムは,ロンドン(London)から北150kmほどに位置します.ちなみにサッチャー元首相はグランサム出身だそうです.
ロンドンのKings cross駅から向かいました.中の設計が非常にかっこいい駅です.
グランサムの町
グランサムから,町の中心部に歩いてみると,いきなり,アイザックニュートンショッピングセンターがありました.さすが,ニュートンの住んだことのある町です..
こちらが,グランサム(Grantham)の中心部です.
適当に散歩してみると,グランサム大学(Grantham College)がありました.
のどかで,よい町でした.ロンドンのような大都市よりも,こっちの方が好きです.
きれいな公園です.天気もよくて最高です.ウィンダム パーク(Wyndham Park)というらしいです.
キングススクール に行く
ニュートンはグランサムの南10kmほどのところにあるウールズソープ村というところで生まれました.生家もそこにあります.
ニュートンが12歳になった頃,グランサムのキングススクールに通い始めます.ニュートンは,ケンブリッジ大学に入学するまで,6年ほど,下宿しながら,この学校に通いました.
キングススクールには,ニュートンが壁に彫ったサインがあるということで見にいきました.
この学校は今も運営されているため,受付に行くまでに,ニュートンの後輩達を見かけました.
学校のパイセンがニュートンってなんか凄いですよね.
受付の人はとても親切で,ニュートンのサインを見たいと伝えると,快く,少し離れた講堂に連れていってくれました.
ニュートンが学んでいた講堂だそうで,当時はこの建物しかなかったそうです.現在は授業に使われることはなく,何かイベントをやるときにたまに使うみたいなことを説明してくれました.(完全にはわからなかった).
部屋の奥を指差し,あそこの窓辺にニュートンのサインがあると教えてくれました.
この学校では当時,卒業生が壁に自分の名前を彫る慣習があったそうで,サインが残っているとのことです.
これが,ニュートンのサインです.「I Newton」と彫ってあります.tの横棒がないですが,これはニュートンの癖で,ケンブリッジ大学にあるニュートンのノートも,tの横棒を省略しているそうです.
300年以上前に青年ニュートンが彫ったサインと思うと,何と感慨深い...
この講堂には20分くらいいました.もうちょっといたかったけど,案内してくれた人を待たせていたので,お礼を言って,後にしました.
学校を後にして,この講堂を外から見てみました.これです.
「この学校のホールで,アイザックニュートンは教育を受けました」と書かれたものが掲げられていました.
場所は,この辺り(GoogleMap)です.
この講堂の反対側には,ウルフラム教会(Wulframs Church)があります.この教会は12世紀に建てられたそうです.
ニュートンは,この教会の絵を描き,ニュートンの生家の壁に飾っていたらしいです.そのくらいニュートンの心に残るものだったそうです.
ニュートンが毎日のように見た教会を今自分が見ていると思うとなんか感動です.
纏め
- キングススクールのあるグランサムは,ロンドンから列車で1時間くらい.
- キングスクールにはニュートンのサインがあり,見学が可能.
キングススクールに,特にアポもなく訪れたのですが,快く対応してくれました.ニュートンの青年時のサインはとても貴重だと思うのですが,サインのある建物は今も使われていて,特に,大事に保存している感じはしませんでした.
グランサムという町は,とても穏やかな雰囲気で,一切,危険な感じがしない良いところでした.